CINERAMA    - DISCOGRAPHY -
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Don't Touch That Dial
TONE CD 016

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Don't Touch That Dial

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Don't Touch That Dial

DON'T TOUCH THAT DIAL

FORMAT: CD SINGLE
RELEASE DATE: October 13th, 2003
LABEL: Scopitones (U.K.)
CATALOGUE No.:
CD- TONE CD 016

TRACK LISTING:
1. Don't Touch That Dial
2. The One That Got Away
3. On / Off
4. Careless [CD-ROM Video]

PERSONNEL:
All songs written by Gedge / Cleave. Orchestration arranged by David Gedge. Produced by Steve Fisk and David Gedge. Recorded by Greg Norman and Steve Fisk and mixed by Steve Fisk. Sleeve Design by www.egelnickandwebb.com
 TWP1994年の問題作『WATUSI』を手がけたSteve Fiskが初めてCINERAMAの作品に関わった事でも話題のシングル。当初過去2作のアルバムのベーシック・トラックを制作してきたSteve Albini所有のスタジオElectrical Audioで録音した素材をSteve Fiskがミックスする、という情報が伝えられており、CINERAMAのスタート時から関わっていたDare Masonが担っていたパートをSteve Fiskが替わったものと思っていたが、実際にリリースされたCDのクレジットを見るとSteve Fiskが録音からミックスまで全てに携わっている。Steve Albiniに続くTWP時代の知古のプロデューサー/エンジニアとの再タッグは、“『WATUSI』こそがCINERAMAのスタート地点”というDavidの言葉を待つまでもなく、TWPの変化を象徴する1作で辣腕をふるったプロデューサーだけにSteve Albiniとの時とはまた異なった期待感があったが、見事に『TORINO』の先に来るものを指し示してみせた会心の一作となった。
 とにかく、この表題曲の出来はあまりにも見事。PLAYボタンを押してまず飛び込んでくるのは極端にコンプレスがかかったプログラミングの様なバスドラとハイハットとスネアの音。そこにクリアーなトーンのギターのアルペイジオがオーヴァーラップし、Davidの呟くような歌が始まる。穏やかな曲調のままAメロ終わりでスリージーなギター・リフがパッと鮮やかに場面転換させる...この導入部だけでもう総毛立つものだし、そのまま何か心地よく張りつめたようなテンションを持続させたまま、終盤まで一気に聴かせる構成は「Health & Efficiency」等で完成させた定式とはいえ、明らかにこれまでのCINERAMAの作品に無かった響きがある。スタイル的な斬新さは無いかもしれないが、バンドの出音一つ一つがより逞しく、また全ての要素がどれ1つとして浮き上がる事無く融合している感覚がある。演奏の豊穣さとアレンジのバランスが完璧な1曲であり、このサウンド・プロダクション面での完成度の高さが"H&E"との差異とも言えるが、やはり数多くのラブ・ソングを歌ってきたデイヴィッド・ゲッジの詞作の中でも珍しくストレートに感情を露わにしながら愛する人との別れの情景を歌ったこの歌詞(Sally Murrellと別れて間もない頃に書かれたであろう事は疑いようがない)こそが最も大きな違いであろう。Davidの言葉をそのまま引用すれば“CINERAMAストーリーの新たなフェイズへと突入した”、そう言わしめるだけの重要なエポックとなった名曲である。事実、プロデューサーのSteve Fiskも含めた同一布陣で制作された新生TWP名義のアルバム『TAKE FOUNTAIN』に再録音ヴァージョンで収録される事にもなった。なお、本作はCINERAMA初のエンハンストCD仕様での発売となり、「Careless」のプロモーション・ヴィデオが見られる。
 ちなみにこの"Don't Touch That Dial"はBBC Radio 1 "John Peel Show"で毎年末恒例となっている人気投票Festive 50 2003年版に於いて見事ナンバー1を獲得。David GedgeにとってはTWP時代を通じても最高位、デビュー実に18年目にして初の栄冠獲得となった。
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