 Clue Records
 Vinyl | Marc Riley Sessions Volume 5
FORMAT: LP
RELEASE DATE (U.K.): 23rd May, 2025
LABEL: Clue Records (U.K.)
CATALOGUE No: CLUE120 (12" Vinyl), CLUE120CD (CD-R)
TRACK LISTING:
Side A [recorded on 28th October, 2019]:
1. Don’t Give Up Without A Fight
2. Crushed
3. A Song From Under The Floorboards
4. Telemark
Side B [recorded on 15th May, 2023]:
5. Canada
6. We All Came From The Sea
7. Sports Car (Alternative Vocal Version)
8. Science Fiction
PERSONNEL:
Track #1-4
David Gedge : Singing and Guitar
Charles Layton : Drums and Percussion
Danielle Wadey : Guitar and backing vocals
Melanie Howard : Bass and backing vocals
Track #5-8
David Gedge : Singing and Guitar
Nicholass Wellauer : Drums and Percussion
David Coyle : Guitar
Melanie Howard : Bass, backing vocals and lead vocal on #7 | 【解説】 BBC 6 MusicのMarc Rileyの番組出演時のレディオ・セッションをまとめたおなじみ『Marc Riley Sessions』シリーズの第5弾。2019年10月28日放送回の11回目のセッションと2023年5月16日放送回の12回目のセッションの計2回のセッションからの8曲を収録。いずれも2022年の月刊シングル・シリーズ『24 Songs』で発表されることになる楽曲が含まれている。 前者の2019年回からは当時30周年記念ツアーを展開中だった『Bizarro』からのクラシック"Crushed"、『24 Songs』シリーズ第一弾でリリースされた"Don't Give Up Without A Fight"、当時のツアーでもカヴァーしていたやはり同シリーズでも登場するMagazineの"A Song From Under The Floorboards"、そして『24 Songs』シリーズではエレクトロな要素も加えて大胆にリアレンジされた"Telemark"の初期ギター・ロック・ヴァージョンの4曲。後者の2023年回はライヴ用にリアレンジされた"We All Came from the Sea"、"Science Fiction"のそれぞれシリーズのシングルA面曲に加え、コロナ禍のロックダウン中のヴァーチャル・セッション・シリーズ『Locked Down And Stripped Back』でのアレンジを踏襲した『Mini』からの名曲"Sports Car"は当時のベーシストMelanie Howardをリード・ヴォーカルにフィーチャー、そして最大の聴き物が未だスタジオ録音版でも未発表のLow 2002年の楽曲「Canada」圧巻のカヴァー。前年の2022年8月21日に開催された英ウェールズのフェスティヴァルGreen Man FestivalにLowが出演予定だったところ、同バンドのMimi Parkerの病気療養のためツアー中止を発表したことから、急遽代打でThe Wedding Presentが出演。そのステージでMimiに捧げる形でカヴァーされたのが同曲だった。その後同年11月5日に残念ながらMimiは還らぬ人となり、その追悼の意味も込めて改めて演奏されたのだと思う。そういった背景を知らずとも、これは本当にグッと来る名演なので、ぜひとも多くの方にお聞きいただきたい。 ところで、このシリーズではヴァイナル盤に毎回同内容のCDがバンドルされているのが恒例だったが、今回は別々に販売され、またCDの方は厳密にはCD-Rでの提供となっており、フィジカルメディアのファンとしてはなんとも寂しいところ。またジャケット裏にはBlack Country, New Roadがこのバンドへの深い愛情を感じさせるライナーを寄せているが、TWPよりは遥かに後輩にあたる現役のバンドによるライナーというのはTWPの作品ではほとんど記憶が無い出来事。このコメントが本当にバンドの本質を捉えた素晴らしいものなので、あえて全文引用したい。
--ザ・ウェディング・プレゼントは、私たちが10代の頃に共に熱中したバンドです。『ジョージ・ベスト』『ビザーロ』『シーモンスターズ』といったアルバムは、単なる名盤というだけでなく、私たちの友情の象徴でもありました。2016年、シックスフォーム・カレッジ最後の年にケンブリッジ・ジャンクションで彼らのライブを観に行きました。そこには高揚感と熱狂が入り混じった空間が広がっていました。
『ゴーイング・ゴーイング…』がリリースされたときは、私たちの友人グループの間で大きな話題となりました。リリース当日に皆が一斉に聴き、意見を交わし合いました。私たちはこのアルバムを気に入り、特に『サンタ・モニカ』という曲に惹かれました。そして、この曲は私たちが最初の二枚のレコードで作る楽曲の大きなインスピレーションとなったのです。
マーク・ライリーのためにライブ録音されたこのセッションでは、ザ・ウェディング・プレゼントはタイトでありながら過度に整いすぎることなく、強烈なインパクトを持ちつつも繊細さを失わない絶妙なバランスを見せています。ギターの音は厚みがありながら、引き締まった統一感を持ってクリアに響きます。彼らはその境界線を完璧に把握しているため、伝説的なバンドであり続けるのでしょう。 この演奏は、喜びに満ち、拳を突き上げたくなるような感覚を呼び起こします。前面に押し出された大胆な音でありながら、決して威圧的ではありません。これこそが、ザ・ウェディング・プレゼントの真骨頂なのです。
ブラック・カントリー・ニュー・ロード - ロンドン、2025年2月 |
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