CINERAMA    - DISCOGRAPHY -
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Va Va Voom (CD)
CD Album
COOK CD 150


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Va Va Voom[U.K.盤]

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(U.S. spinART edition w/ 2 Bonus Tracks)


Va Va Voom (LP)
Vinyl LP
COOK 150


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Va Va Voom
[U.K.盤/Vinyl LP]
VA VA VOOM

FORMAT: CD & LP ALBUM (1st Album)
RELEASE DATE: July 27th, 1998
LABEL:
COOKING VINYL(U.K.),
True North Records(Canada: released in Sep 22nd, 1998. catalogue No. TNSD0170)
spinART(U.S.: released in Oct 6th, 1998. catalogue No. SPART68),
Rock Records(Japan: released in June 19th, 1999. catalogue No. RCCY-1006)
CATALOGUE No.:
CD- COOK CD 150
LP- COOK 150

TRACK LISTING:
1. Maniac
2. Comedienne
3. Hate
4. Kerry Kerry
5. Barefoot in the Park
6. You Turn Me On
7. Ears
8. Me Next
9. Hard, Fast and Beautiful
10. Dance, Girl, Dance
11. Honey Rider

PERSONNEL:
All songs written by David Lewis Gedge. Performed by Sally Murrell and David Lewis Gedge. Produced by Dare Mason and David Lewis Gedge. Recorded and mixed by Dare Mason at Intimate, Moody, The Premises, and Oaklands Groove Studios, London. Mastered by Guy Davis at Hilton Grove.
Additional Playing; Guitar&Thermin - Dare Mason, Guitar - Martin Willson-Piper, Bass Guitar - Anthony Coote, Keyboards - Davey Ray Moore, Drums&Percussion - Richard Markangelo & Che Albrighton, Cello - Julia Palmer & Abigail Trundle, Violin - Rachel Davies, Flute - Duncan Bridgeman, Oboe - Thibault De Montfort, Trumpet - Derek Crabtree, Answering machine message on "Maniac" read by Lisa Prodromo, Special Guest Singer on "Ears" - Emma Pollock
Sleeve Design: Andrew Swainson at Cactus. Photography: Howard Sooley at The Shipyard.
David Lewis Gedgeがバンド結成14年目にして初めて世に問うたソロ・ユニットCINERAMAの1st Albumは至高のメロディとハーモニーをふんだんに聴かせた、時と場所を選ばないポップ・アルバムとして多くの人に愛されるだろう秀作となった。
流麗なストリングスを配したソフトロック的なアプローチ、そのあまりにも滑らかなサウンド・プロダクション、素直過ぎる良質さはかつての頑ななWeddoesフリークから敬遠されるのかもしれないが、ここ数年の流れからすればいずれこういう正統派のポップ・マエストロぶりを見せつける楽曲集が出る事は予測も付いていたのもまた事実。歌詞は相変わらず世界中の何処かで起こっているかもしれない様々な愛の情景を記したショート・スケッチだが、シングルにもなった#10や隠微なストーキングソング#7 (The DelgadosのEmma Pollockとのデュエット)など、その語り部としての饒舌さ/巧妙な展開を見せる物語性はもはやイギリス至宝の域に達していると言っていい。遅蒔きながら、この男のソングライターとしての才を広く気付かせる事になった重要作品である。サウンド面について、David自身は極力“The Wedding Presentらしさ”を排除したいという意向から、あまりにアクースティックなアプローチになってしまった事を後悔している事を告白しており、また当初打ち込み主体でトラックを作っていたのを止めて、後からドラムなどのパートを被せたというプロセスを知るにつけ、確かに中途半端さや整合感の低さが気になる瞬間はあるが、ここでの試行錯誤や製作過程で培われたノウハウ(殊アレンジメントに関して)が次作『DISCO VOLANTE』においてさらなる発展を見せる事になる。もっとも、当時は直ぐにでもTWPが再開されるだろうと誰もが思っていたし、よもや“次作”があるとは思ってもみなかったのだが。なお、ゲスト・プレイヤーにはDavidがその声に惚れ込んだというThe DelgadosのEmma Pollockをはじめ、プロデューサーのDare Masonの繋がりでThe ChurchのMartin Willson-Piper、Animals That Swimのメンバーらが参加。アルバム・ジャケットはミケランジェロ・アントニオーニ監督の1966年伊作品『欲望("Blow Up")』へのオマージュとなっている。
同時発売のVinyl盤はジャケットがCDのものとは配色違いで黄色がベースのデザイン。#1~5までがA面、#6~11までがB面となっているが、米国盤であるspinART版の方も同様にVinyl盤が出ていて、そちらはボーナストラックの"Love"、"Au Pair"(両方ともCDシングル盤の""Kerry Kerry"カップリング曲)も合わせてVinyl盤化されているためA/B面の収録バランスが英国盤と異なり、#1~7までがA面、#8~11とボーナストラックの2曲がB面となっている。またインナースリーブも英国盤がフルカラーなのに対し、米国盤はモノクロという違いがある。

余談になるが、本国の発売からおよそ1年遅れでひょっこりと日本盤CDもリリースされたのだが、ライナーノーツはかつてのTWP国内盤ライナーからの流用丸出し出鱈目なデータや英文プレスリリースを直訳しただけのフレーズが目に付く(酷いのはここで出しているゾンビーズなどの固有名詞までそのまんま流用し、それをあたかも自分の文章の様に記している点)あまりにお粗末な内容。訳詞は間違いなく曲そのものを聴かずに翻訳されているだろう事は想像に難くないひどい有様で、Davidのストーリーテラーとしての醍醐味を減じる形になっており、相変わらずこの英国屈指の才能に対する我が国でのぞんざいな扱いを知るところとなった。
【関連文章】
英音楽誌N.M.E.掲載レビュー(1998年7月前身サイト「TWP=THE WEDDING PRESENT」にて訳出)
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