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JOHN PEEL SESSIONS : SEASON 3
CMQCD1527

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John Peel Sessions : Season 3

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John Peel Sessions : Season 3

JOHN PEEL SESSIONS : SEASON 3

FORMAT: BBC SESSIONS' COMPILATIONS CD
RELEASE DATE: August 20th, 2007
LABEL: Sanctuary (U.K.),
CATALOGUE No.:
CD- CMQCD1527

TRACK LISTING:
    (live at Maida Vale / Jan. 9th, 2002)
  1. Your Time Starts Now
  2. And When She Was Bad
  3. Get Up And Go
  4. Spangle
    (5th John Peel Session / May 8th, 2003)
  1. I'm From Further North Than You (Edinburgh)
  2. Larry's
  3. On / Off
  4. All The Things She Said
    (6th John Peel Session / Nov. 27th, 2003)
  1. Always The Quiet One
  2. Mars Sparkles Down On Me
  3. Nickels and Dimes (Why Are Nickels Bigger Than Dimes?)
  4. Groovejet (If This Ain't Love)
BBC Radio 1「John Peel Show」のためのMaida Valeでのスタジオ・ライヴとレディオ・セッション音源をまとめた編集盤の3作目で、3枚組のCD BOX『The Complete John Peel Sessions』と同時リリース。2002~03年に収録されたセッションからの音源中心となっている。#1~4が2002年の新春に生放送された、Maida Valeでのライヴからの4曲。しかし本当なら全14曲ぜひともCD化して欲しかったくらい、ライヴ・バンドとしてのCINERMAの充実ぶりが伝わる、興奮ものの一夜だった(実際、デイヴィッドとしては将来的にこの夜のライヴを単体でリリースしたいという意向があるようだ)。この夜はライヴでおなじみとなっていたTWP時代の名曲も披露され、ここでは『Watusi』アレンジで再現された"Spangle"が選ばれている。
#5~8は翌月の通算5回目となる5月8日録音(放送は6/4)のPeel Session。Sally Murrellがバンドを去り、4ピースになってからは初のツアーとなった2003年4月の英国ツアー終了後に収録されている。何と言っても、ツアーでも演奏され好評だった"Edinburgh"、つまり後の新生TWPを代表する名曲"I'm From Further North Than You"などの当時の新曲3曲の出来が素晴らしいが、時折しも世界的に人気を博していたロシアの女性デュオt.A.T.u.の大ヒット曲"All The Things She Said"のカヴァー#8が披露されているのもポイント。このカヴァー、ものの見事にCinerama流の隠微なバラッドに仕立て直されていて驚かされるし、歌詞の一人称が男性になった事で全く別の意味を帯びている。"Larry's"は後に『Take Fountain』で発表されるが、アレンジはシンプルなロッカバラード調。
最後#9-12の4曲は2003年11月27日に録音され、2004年新年の「John Peel Show」第1回目の放送(1/6)でオンエアされた、通算6回目となるPeel Sessionで、これこそがシネラマがザ・ウェディング・プレゼントへと移行する決定的なターニング・ポイントとなった歴史的名演。有名な逸話だが、演奏を収録したエンジニア氏の「君たち、まだこれをシネラマって呼ぶのかい?もうウェディング・プレゼントのサウンド、そのものじゃないか!」という発言が、デイヴィッド・ゲッジが抱いていた重大な決意を後押しすることになる。放送から約4ヶ月後、シネラマとしては現時点で最後となる北米ツアーを終えたバンドは米シアトルでアルバムの制作に入るが、議論を重ねた末、その新作『Take Fountain』をTHE WEDDING PRESENTの名の下に制作する事を決定する。
このセッションでの最初の2曲は『Take Fountain』で発表、"Why Are Nickels Bigger Than Dimes?"も"Nickels and Dimes"と短く改題され、シングルのB面でお目見えする当時の新曲。しかし後のスタジオ・テイクを遙かに上回るソリッドなバンド・グルーヴが感じられるこのセッションでの熱演には、放送当時僕もそのエンジニア氏と全く同じ感想を抱いたものだった。Spiller featuring Sophie Ellis-Bextorのクラブ・ヒット「Groovejet」は歌詞とメロディーこそ一緒だが、アレンジは"Interstate 5"そのままで、ほぼプロトタイプである。
以上の収録内容から言っても、間違いなく現在のTWPを紐解く上での最重要記録と言ってもいいアルバムである。2004年にTWPへの改名(襲名)が発表された際、それまでのシネラマのライヴはもちろん、これらのセッションをリアルタイムで体験する事さえしなかった人々はどういう経緯で改名に至ったのかさっぱり理解出来ず戸惑ったらしいが、そういった遅れてきたファンたちはこのCDを耳にする事でより一層後悔と自責の念に苛まれる事になるのだろう。
【関連文書】
ニュース詳報(2007/5/25当サイト掲載記事)
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