DISCOGRAPHY [THE WEDDING PRESENT (I) 1985〜1997]
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Track Listing:
(original issue)

1. Davni Chasy
2. Yikhav Kozak za Dunai
3. Tiutiunyk
4. Zadumav Didochok
5. Svitit Misyats
6. Katrusya
7. Vasya Vasyl'ok
8. Hude Dnipro Hude
9. Verkhovyno

#2,3,5,6&8- first broadcast on 14th Oct., 1987
#1,4,7&9- first broadcast on 5th Apr., 1988


Track Listing for 2000 reissue edition "Ukrainian John Peel Sessions"[*-extra tracks]

1. Davni Chasy
2. Cherez Richku, Cherez Hai*
3. Svitit Misyats
4. Tiutiunyk
5. Zadumav Didochok
6. Yikhav Kozak za Dunai
7. Hude Dnipro Hude
8. Katrusya
9. Vasya Vasyl'ok
10. Sertsem i Dusheyu*
11. Zavtra*
12. Hopak*
13. Verkhovyno

#12- first broadcast on 25th Nov.,'86
#2,10&11- first broadcast on 15th May, '89
Ukrainski Vistupi V Johna Peela (17th April, 1989)

U.K. RCA (Out of Print)
CD- PD74104
10" Vinyl- PL74104
MC- PK74104

Japan BMG (Out of Print)
CD- R32P-1206 (released on 21st July, 1989)

U.K. Reissue Fresh Ear
CD- FRESH CD 100 (released on 1st September, 2000)

Personnel:
David Lewis Gedge (g.&back vo.), Peter Solowka (bayan, mandolin, bubon & back vo.), Keith Gregory (b.), Shaun Charman (dr. on #2,3,5,6,8), Simon Smith (dr. on #1,4,7,9)
Len Liggins(vo., skripka, balalaika & sopilka), Roman Remeynes (mandolin & back vo.)


 1989年にメジャーのRCAに移籍、その第1弾作品となった本作は1989年4月にリリース(全英アルバムズ・チャート最高位22位)。旧ソ連の支配下にあった時代のウクライナ共和国で生まれたIvan Solowkaを父に持つギターリストのPeter Solowkaのアイデアで1987年10月と'88年3月の2回に渡って行われたJohn Peel Session(通称“ウクレイニアン・フォーク・セッション”)をまとめたもので、内容はウクライナに伝わる民謡/フォーク・ソングや日本でもポピュラーなロシア民謡の「カチューシャ」や「悲しき天使」など、英国北部のウクライナ・コミュニティにおける伝承歌や愛唱歌をバラライカやフィドルなどの伝統的な楽器も交えてバンド・アレンジでアグレッシヴに演奏したもの。折りからのワールド・ミュージック・ブームやザ・ポーグスの様な伝統的な要素と現代的なビートを融合させたユニークなバンドの台頭も手伝ってこの試みは多くの聴衆に新鮮な印象を与え喝采を浴びる所となり、そのプロジェクトの為の場を提供したJohn Peelも気に入って頻繁に自らの番組で繰り返し電波に乗せていた。また時代的に旧ソ連のペレストロイカ(時の大統領ゴルバチョフがブチ上げた社会経済改革)に呼応する様に始まったウクライナの文化復興運動「ペレブドーヴァ」など、盛り上がりを見せていたウクライナ民族運動が最高潮に達しようとしていたのがこの1989年頃であり(ウクライナの独立はその2年後の8月)、そういった“時代の気分”もこのセッションが音源化される後押しになったのではないかと推察する。
 紙製スリーヴとブックレットの凝った体裁も話題になり、日本ではこの作品が初めて国内盤が発売されたアルバムとなった(当時の邦題は『ウクライナ・ソングス』)が、その英国盤に帯とライナーを付けただけの“直輸入盤仕様”だった。TWPのカタログ中では異色な企画性の高い作品であり、限定プレスだったせいもあり長らく廃盤状態だったが、2000年9月に突如英国のインディーズFresh Earレーベルから『Ukrainian John Peel Sessions』として再発。曲順は入れ替えられたが、未発表のままだった2回のセッションからの楽曲も含む“完全版”と相成った(ちなみにパッケージは普通のプラケース仕様)。その2000年のリイシュー版も入手困難となりつつあったが、全て2007年3月に発売された6枚組ボックス『The Complete Peel Sessions』に復刻され、今度は時系列に録音時期別に収録、よりセッション毎の特色が見えやすくなった。
 なお、TWP脱退後Peter Solowkaは本セッションに参加したゲスト・メンバー二人とThe Ukrainiansを結成し、後にThe Ukrainiansのベスト盤『Istoriya』には本セッションからの楽曲が収録されている。

 余談になるが、実はオリジナル盤は自身のReception Recordsでのリリースが予定されながら、販売元会社のRed Rhinoの倒産により宙に浮いた状態だったのをRCAが在庫を引き取ってリリースした経緯もあり、初期プレス15,000枚近くの10インチ・アナログ盤は一部Receptionのマークと型番"REC 010"をRCAのマークと型番の入ったシールで覆い隠す形で出荷されたそうである。またプロモーション用にプレスされた"Davni Chasy"(メアリー・ホプキンの1968年の全英No.1ヒットとしてもおなじみ「悲しき天使"Those Were The Days"」のカバー)と"Katrusya"がカップリングされた7インチ・アナログ盤も存在するが、こちらも同様にReception、RCA両方のラベルが存在するというからややこしい。

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