DISCOGRAPHY [THE WEDDING PRESENT (I) 1985〜1997]
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George Best

Lyrics
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expanded edition(3CD+DVD)


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vinyl reissue


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expanded edition


Track Listing:
(original order)

1. Everyone Thinks He Looks Daft
2. What Did Your Last Servant Die Of?
3. Don't Be So Hard
4. A Million Miles
5. All This And More
6. Getting Nowhere Fast *
7. My Favourite Dress
8. Shatner
9. Something And Nothing
10. It's What You Want That Matters
11. Give My Love To Kevin
12. Anyone Can Make A Mistake
13. You Can't Moan Can You?
14. All About Eve *
(*CD only)

side-A: 1-5, 7
side-B: 8-13


[Extra Tracks for 1994 Canadian Pearls from the Past press and 1997 Cooking Vinyl 10th Anniversally reissue edition]
15. Nobody's Twisting Your Arm
16. Nothing Comes Easy
17. Don't Laugh
18. I'm Not Always So Stupid
19. Why Are You Being So Reasonable Now?
20. Not From Where I'm Standing
21. Give My Love To Kevin (Acoustic)
22. Getting Better
23. Pourquoi Es Tu Devenue Si Raisonnable?
George Best (October 1987)

U.K. Reception (Out of print)
LP- LEEDS 1
CD- LEEDS 1CD
MC- LEEDSMC1

Canada Pearls from the Past (Out of print)
CD- PFTP-WP1 (1994)

10th Anniversary U.K. reissue edition Cooking Vinyl (13th October 1997)
CD- COOK CD 134
Vinyl (1,500copies Limited)- COOK 134 (four 10" EP Box set)

U.S. Reissue spinArt (May 2001)
CD- COOK CD 134

E.U. Vinyl Reissue Vinyl Lovers (25th January , 2010)
12" Vinyl (180g pressing 2LP edition)- 900915LP

Expanded Edition (E.U.) Edsel Records / Demon Music Group (27th October , 2014)
3CD+1DVD - EDSJ 9004

Vinyl Reissue (E.U.) Demon Records (1st December , 2014)
12" Vinyl (limited Edition) - DEMREC40

Vinyl Reissue / Red Vinyl (E.U.) Demon Records (1st December , 2014)
12" Vinyl (limited Edition- 250copies limited) - DEMREC40X

Reissue (E.U.) Play It Again Sam (11th October , 2019)
12" Vinyl (limited Edition/Green Vinyl) - PIASR455LP
CD - PIASR455CD

Personnel:
David Lewis Gedge (vo.&g.), Peter Solowka (g.), Keith Gregory (b.), Shaun Charman (dr.&back vo.) additional musician: Amelia Fletcher (back vo.) Produced by Chris Allison


 1987年10月、自らのレーベルReceptionからリリースされた記念すべきデビュー・アルバム (全英アルバムズ・チャート最高位47位/インディーズチャートでは4週間ナンバー1)。溌剌としたギター・リフとメロディ・ライン、David Gedge言うところの「幾分か私小説的」というマンチェスターでの青春時代を反映した時に生々しすぎて笑えない現実味を帯びている恋愛模様を描いた歌詞。いかにもデビュー作らしい初々しさを感じさせると同時に、この後数々のヴァリエーションを生んでいく独特な作風が既にここから始まっている。その貧弱なサウンド、拙いリリックが当事者達を赤面させるかもしれないが、ファンにはどうしようもなく愛おしい一作。#1、7、8、11と名曲多数収録。
 アルバム・タイトルは英サッカーの名門チーム、マンチェスター・ユナイデッド往年の名プレイヤーであり、イギリスでは“5人目のビートルズ”と呼ばれる程のカリスマ的な人気を博したジョージ・ベスト氏に由来し、アルバム・ジャケットにもデイヴィッドたちが見つけてきたジョージ現役時代の写真が使用されている。なぜリーズ出身のバンドがマンチェスター・ユナイデッドの選手の写真を使用したのか?と言えば、デイヴィッドが10代の大半を過ごしたのがマンチェスターであり、このアルバムで歌われている歌詞はそのマンチェスターでの青春時代にインスパイアを受けたものがほとんどで、その頃の最大のアイドルがこのジョージ・ベストからだったから。よってデイヴィッドはこのアルバムの事を“マンチェスター・アルバム”と呼ぶ事もあった。2005年の新生TWP最初のフル・アルバムだった『Take Fountain』の事を“シアトル・アルバム”と呼んだのは、同じように特定の街で過ごした時代の出来事が反映されたこのアルバムの存在を意識しての事かもしれない。
 1987年当時としては珍しい事に、同時にCDのフォーマットでも発売され(ちなみに知古のDJ、John Peelが自らの番組John Peel Showで初めてかけたCD盤が本作とされている…Johnは晩年でもオンエアではアナログ盤を使用する事が多かった)、ボーナストラックとして先行シングル"Anyone Can Make A Mistake"カップリングの2曲を収録しているが、歌詞の面でも全体の流れを考えてもこの挿入ポジションには疑問が残る。その後再発盤、カナダのPearls from the Pastからの『George Best +9』、オリジナル盤の発売後10周年を記念して1997年10月に英Cooking Vinylから発売された『George Best Plus』(同再発盤は2001年5月に米spinArt社から型番もそのままで発売されている)は、いずれも翌'88年発売の2作のEP "Nobody's Twisting Your Arm"、"Why Are You Being So Reasonable Now?"全9曲を追加収録したものだが、肝心の本編はオリジナルCD盤の曲順が改められる事が無かった。しかし2014年10月に英Edsel/Demon Musicからリリースされた3CD+DVDの4枚組エクスパンディッド・エディションで遂に本編がオリジナル・アナログ盤同様の曲順でCD化されることになった。原盤の魅力を十二分に引き出しているとは言い難い独特な音痩せ感を感じさせる1997年の10周年再発盤より、オリジナルのアナログ盤での音場に近いリマスタリング効果も目覚ましいエクスパンディッド・エディションは、ボーナス・ディスクの充実ぶりも含め、文字通り決定盤というべきカタログとなった。これから聴かれる方はオリジナルのアナログ盤の入手が難しければ、ぜひこちらのEdsel盤でお聴きいただきたい。

 なお、Receptionからのアナログ初回盤3,000枚は同年のシングル"My Favorite Dress"が封入され、ジョージ・ベストの顔がデザインされたビニール・バックに入れられて発売された。1997年にリマスター盤が発売された際にも1,500セット限定で4枚組の10インチ・ヴァイナル盤・ボックスがリリースされ、『George Best Plus』収録のボーナストラック分EP2枚もスリーブも含めて再現され、収録されているが、CD用のマスターをそのままアナログ盤化したその音質の酷さには閉口する。また収録曲数は『George Best Plus』と同様ながら、オリジナルLPに準じたものと、ボーナストラックのみを収録したものとをカップリングした2枚組の重量盤ヴァイナルが2010年1月にイタリアの再発専門レーベルVinyl Loversより再発。さらに前記したエクスパンディッド・エディションの発売に合わせて、2014年12月にオリジナル・アナログ盤と同一の1LPの重量ヴァイナル盤2種類がDemon Recordsから、さらに2019年10月にも欧州Play It Agin Samからもグリーンのカラー・ヴァイナルと紙ジャケ仕様のCDで再発されている。

 このように様々な形で再発され、再発回数はWeddoes全作品中最多回数を数える本作なのだが、オリジナル盤の発売後30年が経過した今もなお、日本国内盤ではただの一度も発売された事がない。
※関連文書【David Gedge Talks About The George Best Album


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