INTERVIEWS

David Gedge / The Wedding Present - Conference de presse
(La Route du Rock 2005 - 12th August 2005)

原文はこちら

フランスのSt. Maloで8/12〜/14に行われた音楽フェスティヴァルLa Route du Rock 2005に新生TWPは初日の8/12に出演。そのプレス・カンファレンス=記者会見に臨んだデイヴィッド・ゲッジの様子がカルチャー系情報サイトFroggy's Delightに掲載されたのでご紹介します。予めお断りしておくと、内容的にはさほど新味はありません。新生TWP始動からもう1年が経とうというのに、TWPの人気が取り分け高いこのフランスに於いてもまだまだCINERAMAから新生TWPへのフェイズの移行について理解していない記者たちが多いらしく、ここでもそのトピックに多くの時間が割かれています。よってその手の質問にウンザリしているのか、デイヴィッドのコメントにはどことなく疲労の色が見て取れます。最近のラジオ番組出演時も含めたいくつかのインタビューではこの類の質問にSally Murrellとの別れを契機とした心境の変化やさらに細かい経緯はかなり端折られるようになりましたが、要はそれだけ散々答えさせられたという事です。それにしたって“引退”の二文字が彼の口から出てくるなんて、冗談でも勘弁して欲しいな。なお訳出にあたって検証の為公式サイトのフォーラムにてBBC Marc氏が訳出された英語訳を大いに参考に致しました。この場を借りて氏に感謝申し上げます。[last modified:5th September, 2005 /Japanese translation by YOSHI@TWP-CINERAMA]


デイヴィッド・ゲッジは不当なまでに過小評価された新しいソロ・プロジェクト、CINERAMAを始めるまで10年以上もカルト的な人気を博したインディ・バンド、THE WEDDING PRESENT(以下TWP)を1987年{訳注:正確な結成年は1985年}に結成した。
そして2005年、TWPはアルバム『TAKE FOUNTAIN』の放つ輝きの下カムバックし、フランスでの日程を含むツアーを行った。
彼の“永遠の思春期の魅力”は、その重ねてきた年齢に於いても変わることがない。髪は以前よりも黒々としており、このインタビューを真面目な調子で始めたその時ですら彼の微笑みは冗談めいている。
彼は過ぎ去った時間には目もくれず、これからどうなっていくかという展望ついても思いを巡らせたりはしない。それが引退について言及した時であっても。でもステージ上での彼を見たら、きっとそんなのは嘘だろう?と疑ってしまうだろうね。

記者(以下P):なぜTWPの“再始動”を決めたのですか?
デイヴィッド・ゲッジ(以下DLG):CINERAMAの新しいアルバムを作り始めようとした時、そのサウンドの断片が段々TWPっぽくなって来たのに気が付いてね。それでCINERAMAとしてのJohn Peel SessionをBBC (Radio 1)で収録した際に、担当したエンジニアがその変化を指摘したんだ。ギターはさらにハード・エッジになって、あまりアレンジも凝ってないし、トランペットも入っていない。従って、次に必要となったのは『TAKE FOUNTAIN』の為の改名で、そのアルバムはTWPの名前で出る事になった。

P:じゃ実際には他の多くのバンドのように、カムバックした訳ではないという事ですね?
DLG:カムバックでは全然無いね。たまたまTWPのアルバムを出すのに最適なタイミングだったというだけであって。僕が新しいミュージシャンたちと演奏しているのはカムバックとは呼ばないだろうし、もし本当にTWPを“再結成”するのであれば、それこそ15人もステージに上げなくちゃならないよ!

P:混乱はありえることだったと。
DLG:アメリカにしばらく暮らしていて、ある春こっちに戻ってきたんだけど、80年代の香りがするFranz Ferdindandみたいなグループがいっぱいいる事に驚いたんだよ。TWPに関しては、ああいう日和見主義が背景にあるわけではないよ。{訳注:この行は昨今の80'sポスト・パンク/ニュー・ウェイヴ・リバイバル・ブームやそれに便乗して復活したリユニオン・バンドの事を揶揄している様に思える。}

P:かつて数々のフェスティヴァルで名を挙げたグループの1つとしてTWPがこのRoute du Rockに戻ってきたのは筋が通っていると思いますが、どうお考えですか?
DLG:全く妙な気分だね。でも同時に今年の顔ぶれからすると、そう見えるかな。

P:これはカムバックではなく前の活動からの続きであるとすると、さらにTWPのアルバムを作る計画はありますか?
DLG:予め準備された計画を持っている訳ではないのでね。この『TAKE FOUNTAIN』のためのギグが終わった後に何が起こるかなんてわからないよ。なるようになると思うし、結局新しく作る曲次第だと思う。もっとCINERAMAっぽいものになるかもしれないしね。引退だってもしかしたらあるかもしれないよ。

P:20年もやったから、もう引退だとでも?
DLG:去年、典型的なゲルマン気質のあるドイツ人のインタビュアーに「これほどのキャリアは引退するのに十分価値がある」って言われたんだ。僕は声を荒げて「いやいや、15年もないよ!」ってとっても驚いたんだけど、でも確かにそれもそうだよな、と。こんなに時が早く過ぎ去ってしまうなんて思ってもみなかったよ。

P:あなたがバンドを始めた時、こんなに長く続くと思っていましたか?
DLG:まったく。ローリング・ストーンズのように30年もシーンに残れるほど僕はそんなに押しは強くなかったからね。でもそれくらい続くのであればとても嬉しいけどね。

P:TWPのファンはみんなコンピレーションにもなった月刊シングルシリーズ『THE HIT PARADE』の事を覚えていると思います。ああいう事をまたやりたいと思いますか?今日のシングルのマーケットでああいう事が可能であると考えていますか?
DLG:(1992年の状況よりは)もっと大変だろうね。現在のシングルのマーケットに関しても可能だろうけど、やりたくはないな。あの試みは今でもユニークなもので、あの時には理に適っていたし、当時の願望は達成したと思う。

P:シングルのカップリングでよくカヴァーをやっていますが、今日のライヴでは何かやりますか?
DLG:Natasha Bedingfieldかな!ま、実際にやるんだったら考えないといけないけど…。

P:アルバムではカヴァー・ヴァージョンを発表してませんけど、期待してもいいですか?
DLG:カヴァーを取り上げるのはその曲を自分たちのスタイルに合わせるという挑戦ができる意味で好きなんだけど、そんなことは考えもしなかったよ。それはないな。

P:今回のツアーは本当にハード・スケジュールで11月まで続きます。(それとは反対に)CINERAMAの時に受けた冷たい仕打ちにはガッカリしませんでした?
DLG:CINERAMAは新しいグループで、みんな新しいものを見つけるのに怠けてたみたいでね。「へえ、新しいデイヴィッド・ゲッジのグループねえ」みたいにしか思ってなかった感じで。グループがあまりに過小評価だった事は残念だったけれど、もうそれも過ぎた事だから。

P:CINERAMA期についてはどう見ていますか?単にTWPを休止中の間の活動だったのか、それとも新しい音楽のジャンルを開拓するための機会だったのか?
DLG:うん。1996年に、ずっと集中してきた仕事を離れて休憩したいなって感じてね。それから、全く別の種類の音楽をやりたいと思った。それがCINERAMAの始まりだった、というのが本当のところで、TWPとは別次元のものだった。でも結局最後には、その違いは大差なくなってしまった。

P:『TAKE FOUNTAIN』は2種類のサウンドを融合させていますよね。TWPでやってきたギター・サウンドが戻ってきて、CINERAMAのオーケストレーションもあるという。
DLG:そう、全体的にはね。

P:このRoute du Rockに出演することは、全く新しい世代がTWPを発見する機会になると思いますか?
DLG:さあ、あまり気にしてないよ。TWPはみんなを喜ばせるような類の流行のグループではなかったからね。でもそうなれば尚更いいだろうね。そうならなくたって、大した問題じゃない。

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