まずは、お時間頂きありがとうございます。今日のごきげんはいかがですか?
イイ気分だよ。僕らは今オハイオにいる。北米ツアーの真っ最中に「束の間のドライブ」の途中…とても狭い地域内で3公演があるおかげでたっぷり寝られるし、ホテルから遅めにチェック・アウトできる。まるでブリティッシュ・ツアーと一緒だよね!
THE WEDDING PRESENTの名義でアルバムを作ってから8年が経ちました。今回の『TAKE FOUNTAIN』は簡単に作れたものだったのでしょうか?それとも労力を要したものでしたか?
僕が作ってきたアルバムの中では最もすんなりと作れたものの1つだよ。僕の別のグループ、CINERAMAでの音楽はもっと複雑だったから、もう一度“古典的な”ロックンロールのラインアップのための曲をやるのは良い変化だったよ。ギターに、ベースにドラムっていうね。作詞ももっと早くできた。僕は(恋愛)関係について書こうと努めてきて…特にその終わりと始まりについてね。ほとんどはその源泉として自分の経験と想像を当てにしなくちゃならない。今回に関しては、実際に自分の身の上に起こった事だったから、変化があった…だから作詞はまるで日記を書くようにできた。結果的には、僕が作ってきたアルバムの中でも最も個人的なアルバムになった。
結果には満足してますか?
今まで全てが満足に行った作品なんてないと思うよ。いつだって変えたい箇所はあるものなんだ。
新しいレコードのプロデューサーは誰ですか?
スティーヴ・フィスクで、彼は10年前にTHE WEDDING PRESENTの『Watusi』もプロデュースした。ここ数年僕は(彼の地元でもある)シアトルに暮らしていて、ある日彼にバッタリ出くわしたんだ。で、今新しいレコードを作ろうと計画を練っているんだ、って話したら、ぜひ関わりたいってね。彼が良い仕事をするのは分かっていたから、一緒に仕事をする事には何のためらいも無かったよ。あのアルバムの全ての要素がシアトルで書かれ、録音され、ミックスされたんだ。(メンバーそれぞれが違う場所で暮らしている)バンドがシアトルにやってきて、素晴らしい時を過ごした…彼はみんなが笑顔で過ごせる様な環境を作ってくれて、たくさんのアイデアを提供してくれた…
スティーヴ・アルビニと仕事をしようと決めたいきさつは?
彼とは今まで15年間、途中ブランクはあったけれど、仕事をしてきた仲だ。80年代の後半に彼の手がけた作品を知るようになってね…The Pixiesの『Surfer Rosa』は傑作だと思うよ。あの当時RCAと契約を交わしていて、RCAの業績にしてみれば、彼らにとってはスティーヴ・アルビニはあまり縁の無い人だろうな、とは思ったんだけど、音楽的には全くの新境地に導いた良い人選だったと認めていたよ。
"I'm From Further North Than You"は本当にビックリするぐらい素晴らしい曲だと思います。どうやって作られたのですか?
ギターリストのサイモン・クリーヴが何ヶ月もあのギター・リフを弾いていてね…リハーサルの時とかライヴのサウンド・チェックの時とかにね。で、それを元に僕の頭の中でアイデアを温めていったんだ。とても興味深いリフ・パターンだと思ったしね。で、それをポップ・ソングの構造に落とし込んだんだ。
タイトルはちょっと馬鹿げているかな。人がよくどこの地方から出てきたかを誇らしげに言うのを参考にしたんだ…それが「北」であれ「南」であれ何であれ、まるでその事実自体がその人たちにとってある種の品性であるかの様にね。極めて面白い現象だな、と思って。
THE WEDDING PRESENTとしてツアー・サーキットの日々に戻ってきたことを楽しんでいますか?
ウン…でもCINERAMAとしてのツアー・サーキットと同じくらいのものだよ。結局、本質的には同じグループだしね…そこらの馬鹿らしい「再結成」とか何とかとは違うからね。ただの、いつもと同じ仕事だよ。
ライヴ・ショーの中では新曲を集中的にやるのですか?それとも他の曲に織り交ぜていくのですか?
まあ…今回はTHE WEDDING PRESENTとしての新作の発表を記念して行われる新しいTHE WEDDING PRESENTのツアーだからね。確かに新作の『TAKE FOUNTAIN』からの曲をたくさん演奏している。でも何曲か昔のクラシック・ソングもやってるよ…CINERAMAのも含めてね。本当のところ、セットリストを出来るだけ良い物にするためにただ演奏出来るものは全て使ったまでの話だよ。
この夏には何かフェスティヴァルでTWPの姿を観られますかね?
いくつかのヨーロッパでのフェスティヴァルやこの夏の週末のフェスに出演することになるみたいだよ。別に不平を言ってるわけじゃないけどね!
音楽のダウンロードに関してはどの様にお考えですか?
違法ダウンロードの事を言ってるのかい?ちょっと複雑な感情を抱いているよ。新しいバンドにとっては名前を広めるためには明らかに素晴らしい方法だと思うし、メジャー・レーベルにとってはさほど売り上げに影響がないとは思うんだけど…でも心配なのは中小規模のバンドやレーベル、インディー・レコード・ショップのことだね。こういった業種に関わる人はこの世界で生き残るために、手にする事が出来る全ての売り上げに頼らなくてはならないけど、こういう違法ダウンロードが彼らが売り上げを伸ばすのを困難にしている。僕自身がまさにそういうグループにいる訳で、たぶんこういうのは利己的な態度なのだろうけどね…どうかな、わからないけど。ただ自分たちの支持層が見えなくなればなる程、音楽シーン全体にとって不健康な状態になるな、とは感じているよ。
THE WEDDING PRESENTとして年内は何か予定がありますか?
ツアーだよ!北米ツアーが終わったら、もうフェスティヴァルの季節が始まる…その後はU.K.、フランス、スペインのツアーを秋に計画しているよ。
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