THE WEDDING PRESENT & CINERAMA Alternate versions, takes & mixes list
TWP/CINERAMA/新生TWPの別ヴァージョン/別ミックス/別テイクのリストです。レディオ・セッションでのものやライヴ・ヴァージョンは考慮に入れていません。あくまでスタジオ録音で、音源として公式に発表されたものを基準にしています。[2007/12/20更新]
THE WEDDING PRESENT (1) 1985〜1997

曲名 発表年月 収録アルバム/シングル 解説
1 Living and Learning 1985/10 V.A. 『Raging Sun』 [Rouska Records RANT 001] 音源として発表されたWeddoesの作品としてはデビュー曲の"Go Out and Get 'Em Boy!"の次に古い曲で、1985年10月に発売された地元リーズで活動するバンドを集めたオムニバス盤に提供。翌86年に3枚目の両A面シングル"You Should Always Keep In Touch With Your Friends / This Boy Can Wait"の12インチ盤の方のカップリングとして再録音される。前者はサビまでの構成も違うし、デモ・ヴァージョンと言ってもいい感じのラフな出来。両者とも未CD化。John Peel Sessionでのテイクが88年発表の編集盤『Tommy』に収録されている。
Living and Learning [Retake] 1986/7 3rd Single (12") "You Should Always Keep In Touch With Your Friends / This Boy Can Wait" [Reception REC 003/12]
2 This Boy Can Wait ! (3' 08") 1986/7 3rd Single (7") "You Should Always Keep In Touch With Your Friends / This Boy Can Wait" [Reception REC 003] その3枚目のシングル"This Boy Can Wait"は7インチ盤のものと12インチ盤のもので長さが1分程異なる。が、7インチ盤の方は最後のギターのコーダ・パートを編集してあるだけ。なのでテイクは同一。ちなみに編集盤『Tommy』や曲名の副題に"A bit longer!"が付記されたオムニバス盤『N.M.E. C86』に収録されているのは12インチ盤収録の4分ヴァージョンである。
This Boy Can Wait ! (4'00") 3rd Single (12") "You Should Always Keep In Touch With Your Friends / This Boy Can Wait" [Reception REC 003/12]
3 My Favourite Dress [Single Version] 1987/2 4th Single "My Favourite Dress" [Reception REC 005] 屈指の名曲「My Favourite Dress」はシングルとアルバムでテイクが異なる。出来としては先に発表されたシングルの方が簡潔で良い。シングル・ヴァージョンの方は『Tommy』に収録。
My Favourite Dress [Album Version] 1987/10 1st Album 『GEORGE BEST』 [Reception LEEDS 1]
4 Give My Love To Kevin 1987/10 1st Album 『GEORGE BEST』 [Reception LEEDS 1] 1stアルバム収録の人気曲「Give My Love To Kevin」は1988年9月のシングル「Why Are You Being So Reasonable Now?」の為にアレンジを刷新して再録音されているが、これがアコーディオンの音色も上手くハマった実に素晴らしい出来。こっちのアレンジを下敷きにしたもので演奏されているライヴ・シーンがヴィデオ・ソフト『*(S)punk』で観ることが出来る。
Give My Love To Kevin [Acoustic Version] 1988/9 7th Single "Why Are You Being So Reasonable Now?" [Reception REC 011/12]
5 I'm Not Always So Stupid 1988/2 6th Single "Nobody's Twisting Your Arm" [Reception REC 009] 元々はシングルのカップリングとして発表されたものの、その後ライヴの定番曲になるなどA面を凌ぐ人気を得たナンバー。1989年のオムニバス盤『Lie to Me』の為に再録音テイクを提供しているが、現在はWeddoesの編集盤『SINGLES 1989-1991』で聴く事が出来る。完成度もこのリテイクの方が抜群に高い。
I'm Not Always So Stupid [Retake] 1989 V.A. 『Lie to Me』 [Umbrella U1]
6 Why Are You Being So Reasonable Now? 1988/9 7th Single (7") "Why Are You Being So Reasonable Now?" [Reception REC 011] 自主レーベルReceptionからのラスト・リリースとなった通算7枚目のシングルには有名なフランス語詞の別テイクがある。ヴォーカルとバック・コーラスのみ別テイクで、バックの演奏は両方とも同一。
Pourquoi Est Tu Devenue Si Raisonable? 1988/9 7th Single (12") "Why Are You Being So Reasonable Now?" [Reception REC 011/12]
7 Brassneck [Album Version] 1989/10 2nd Album 『Bizarro』 [RCA PL74302] おそらくWeddoesのテイク違いで一番よく知られている例。名作『Bizarro』のオープニングを飾った"Brassneck"はTWPを代表する曲。この曲は翌年シングルのために再録音され、これがSteve Albiniとの初仕事となる。出来としては甲乙付けがたい。疾走感はアルバム・テイクの方、重量感はシングル・テイクの方に軍配が上がる。ライヴではもっぱらシングル・テイクでのアレンジに沿って(特にサビ後のギター)演奏される事が多いようだ。
ちなみに厳密には別テイクではないが、2005年10月に発売された故John Peelへのトリビュート・オムニバス盤『John Peel - A Tribute』[Warner Strategic Marketing WSMCD226]にTWPはシングル・ヴァージョンの"Brassneck"を提供しているが、何と左右のチャンネルが逆の状態で収録されている。企画が企画だけに、これは頂けない。
Brassneck [Single Version] 1990/2 9th Single "Brassneck" [RCA PB43403]
8 Crushed [Album Version] 1989/10 2nd Album 『Bizarro』 [RCA PL74302] やはり『Bizarro』収録曲のテイク違いで、実は上の"Brassneck"EPのレコーディング・セッションから生まれたアウト・テイク。1999年にアメリカ・カリフォルニアのインディーズManifestoからリリースされた英RCA音源の2枚組編集盤『SINGLES 1989-1991』に完全未発表だったこの曲のSteve Albini録音テイクが収録され、ファン達の度肝を抜いた。おそらくどちらをシングルにするか決めかねていて取り敢えずレコーディングしたものの、結局"Brassneck"の方がシングル向きだったからとか、そういう理由でオミットされたのではないかと想像する。それにしても凄まじい1曲である。
Crushed [previously unreleased - recorded by Steve Albini] 1999/3 Compilation 『SINGLES 1989-1991』 [Manifesto MFO-40305]
9 Be Honest [Album Version] 1989/10 2nd Album 『Bizarro』 [RCA PL74302] これは2007年12月にリリースされた『Ye Ye (The Best of the RCA Years)』で日の目を見た『Bizarro』収録曲のアレンジ違いの未発表デモトラック。アルバムではエンディングを締めくくっていたアクースティック・アレンジだったのが、このデモテイクではバンド・アレンジのエレクトリック・ヴァージョン。勿論このアレンジこそが原型。アルバム発売前の1988年のライヴではもっぱらこちらのアレンジで演奏されていた。この手のデモ・トラックまで発掘し始めたという事は、今後埋もれている楽曲も続々蔵出しされていくのではないか、という期待が高まる。
Be Honest [electric Version - previously unreleased demo] 2007/12 Compilation 『Ye Ye (The Best of the RCA Years)』 [Sony-BMG 88697211822]
10 Make Me Smile (Come Up And See Me) [Original Take] 1990 V.A. "Alvin Lives (In Leeds)" [MIDNIGHT MUSIC CLANG 4] 1990年夏頃、当時英国で問題になっていた人頭税導入に反対する目的で制作されたコンピレーションに収録されたこの曲はSteve Harley & Cockney Rebel、1975年の全英No.1ヒットのカヴァー。コピーと言ってもいいそつない出来だったが、同じ年Steve Albiniの元で制作した"3 Songs EP"の為に再録音され、とてつもないヴォルテージを注入された超ハイパーなヴァージョンに生まれ変わった。
Make Me Smile (Come Up And See Me) [Retake] 1990/9 10th Single "3 Songs EP" [RCA PD44022]
11 Corduroy [Single Version] 1990/9 10th Single "3 Songs EP" [RCA PD44022] Steve Albiniの本拠地、シカゴに乗り込んで録音された10枚目のシングル"3 Songs EP"で先に発表され、後にアルバム『SEAMONSTERS』の為に再録音されている。これも甲乙付けがたい。アルバムの流れに収まる様に作られたリテイクの方がやや端正な印象は強いが、Albini録音作品独特のアンビエンス(部屋鳴り)が堪能出来るのは断然リテイクの方だと思う。
Corduroy [Album Version] 1991/5 3rd Album 『SEAMONSTERS』 [RCA PL75102]
12 Dalliance [Single Edit] 1991/5 11th Single "Dalliance" [RCA PB44496] SEAMONSTERS』からは都合2枚がシングルカットされているが、いずれもシングル収録のものはアルバムでのヴァージョンより若干短く編集されている。"Dalliance"の方は歌に入るまでのイントロが2小節ほどだが、カットされた。盤面にはSingle Editなどの表記はされていない。
Dalliance [Album Version] 1991/5 3rd Album 『SEAMONSTERS』 [RCA PL75102]
13 Lovenest [Album Version] 1991/5 3rd Album 『SEAMONSTERS』 [RCA PL75102] こちらはアルバム・テイクの頭18秒がスパッと落とされた。
Lovenest [Single Edit] 1991/7 12th Single "Lovenest" [RCA PD44750]
14 Blue Eyes 1992/1 13th Single "Blue Eyes" [RCA PB45185] 1992年の月刊シングル・シリーズ『THE HIT PARADE』の第1弾となった"Blue Eyes"は当時北米での契約元だったFirst Warningがラジオ局向けに配布したプロモCD用に制作したレディオ・リミックス・ヴァージョンが存在する。ラジオの狭いレンジのスピーカーからもクリアーに聞こえる用にミックスのバランスが変えられているため、原曲ではやや埋もれ気味だったヴォーカルがブレスも聞き取れるくらいに前面に押し出され、またドラムの音もやたらと派手になっている。ヴォーカルの配し方については2003年のリマスター盤『THE HIT PARADE』の印象に近いが、さすがにこのドラムの強調の仕方だけはちょっと違和感がある。現在このリミックス版は1999年に米Manifestoが編纂した2枚組編集盤『SINGLES 1989-1991』のDisc 2で聴く事が出来る。
Blue Eyes [Radio Remix] 1999/3 Compilation 『SINGLES 1989-1991』 [Manifesto MFO-40305]
15 Flying Saucer [Original Single Edit] 1992/7 19th Single "Flying Saucer" [RCA 74321101157] さらに『THE HIT PARADE』シリーズには2曲、曰く付きの編集/テイク違いが存在する。まずは7月号の"Flying Saucer"。これはアルバム収録の際にイントロのフレーズが問題となって編集されている。詳しい事情についてはシングルのページを。
Flying Saucer [Album Edit] 1993/1 Compilation 『HIT PARADE 2』 [RCA 75321-12775-1]
16 Boing! [Original Single Version / Produced by Jimmy Miller] 1992/8 20th Single "Boing!" [RCA 74321101177] THE HIT PARADE』8月号は前作に引き続き巨匠Jimmy Millerがプロデュースしているが、アルバム化の際、何故かその後の第9弾から12弾までを担当するBrian Paulsonの元での再録音テイクに差し替えられた。原因は今持って不明で、実は2003年にこのシリーズが改めて2枚組仕様『THE HIT PARADE』として再発される際、オリジナル・テイクでの収録を個人的にリクエストしたりしてみたのだが、結局叶わぬ夢となった。よってこの2曲は厳密には未CD化である。
またプロモーション・ヴィデオ(=PV)もそれぞれのテイクを使用した2種類が作られ、オリジナルのJimmy Millerテイクを使用した方のPVはエンディングが1分ほど長く、カットアウトで終わるロング・エディットになっている。後のPV集『Dick York's Wardrobe』に収められたのはBrian Paulsonテイクを使用して新たに撮り下ろされたもの。
Boing! [Album Version / Produced by Brian Paulson] 1993/1 Compilation 『HIT PARADE 2』 [RCA 75321-12775-1]
17 Spangle [Electric Version] 1994/8 V.A. "Volume 11 - READING SPECIAL AUTUMN '94" [Volume 11VCD11] WATUSI』で発売当時最も物議を醸した曲「Spangle」。アルバムに先行してオムニバス盤に提供されたものはプロデューサーのSteve Fiskのアイデアによるアルバムでのカリビアン・バラッド・スタイルのアクースティック・アレンジとは異なるバンド形態のエレクトリック・ヴァージョン。前年のPeel Sessionや当時のライヴでももっぱらこちらのアレンジだったから、アルバムであの様な形で収録されたファンは面食らったに違いない。が、近年のCINERAMAのライヴでアルバムでのアレンジで演奏されていたのをはじめ、Davidの「CINERAMA発祥の地」発言や2003年夏のレコーディングに於けるSteve Fiskとの再邂逅も含め、現在のDavid Gedgeを語る上で象徴的な1曲として言及される事も多くなった。
なお、この辺の『WATUSI』からのアウトテイクやアレンジ違いはアメリカのIslandが配布した有名な10インチ・プロモーション盤『Versions』でまとめて聴くことも出来る。
Spangle [Album Version] 1994/9 4th Album 『WATUSI』 [Island CID 8014/524 044-2]
18 Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah 1994/9 25th Single (CD 1) "Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah" [Island CID 585/854 097-2] Islandへの移籍第一弾リリースとなったシングルはCDシングルが2種類発売され、そのCD2の方はイントロのドラムをトチった部分がそのまま残されている。ちなみににこの曲は「Softly Softly」というサビの部分が全く同一の曲が1992年のJohn Peel Sessionでのみ披露されているのは有名な話。スタジオ録音は残されていない、とされているのだが、Hit Paradeシリーズで発表される可能性もあっただけに、もし上の"Crushed"の様な形で倉庫に眠っているのならばぜひ発掘して欲しいものだが。
Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah (with false start on) 1994/9 25th Single (CD 2) "Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah" [Island CIDX 585/854 099-2]
19 It's A Gas [Album Version / Produced by Steve Fisk] 1994/9 4th Album 『WATUSI』 [Island CID 8014/524 044-2] WATUSI』収録曲で、後にシングルカットされた「It's A Gas」はアルバムとシングルでテイクが異なる。シングルの方はHit Paradeシリーズでも仕事をしたIan Broudieがプロデュースした再録音テイク。さらに、カップリングにはアルバムのプロデューサーSteve Fiskがプロデュースしたアクースティック・アレンジの別テイクが収録され、都合3つのヴァージョン違いが生まれた。やはりシングル・ヴァージョンのポップな出来がずば抜けているとは思うが、乾いた感じのアルバム・ヴァージョンもかなり好みだ。
It's A Gas [Single Version / Produced by Ian Broudie] 1994/11 26th Single "It's A Gas" [Island CID 591/854 151-2]
It's A Gas [Acoustic Version / Produced by Steve Fisk] 1994/11 26th Single "It's A Gas" [Island CID 591/854 151-2]
20 Sucker 1995 27th Single "Sucker" [Wedding Present No Number] 1995年唯一のリリースとなったこの曲にどんなヴァージョン/エディット違いが?本当に微細な事だが、翌年のミニ・アルバム『MINI』の英国初回盤(ならびにそれに準じた日本盤とU.S.盤)、1999年にリリースされた編集盤『SINGLES 1995〜'97』に収録されている同曲は7インチ盤にあったイントロのDavidのブレス音(息を吸い込む音)がカットされている。おそらくマスタリングの段階でそのブレスの部分に気付かなかったテープ・オペレーターのミスじゃないかと想像しているのだが。たったそれだけの違いに目くじらを立てる理由はと言えば、やはりこれがあるのと無いのとでイントロの疾走感が全然違うのだ。スウーッと息を吸い込んでから一瞬の間を置いて一気に走り出すあの感覚を味わいたいが為に今も7インチで聴きたくなる1曲である。なお、アメリカのスーパーチャンクのレーベルMergeとスペインのSiestaから出ている7インチ盤もこの英盤7インチと同じ「ブレス付き」である。
Sucker (breath omited) 1996/1 5th Album 『Mini Plus』 [Cooking Vinyl COOK CD 094X]
21 Jet Girl [original take] 1995 V.A. 『Saturday Night Special - 003(Silence is Golden EP)』 [Leadmill Records LEADO03] Jayne Lockeyを含むWeddoesのLine-up 6期を象徴するポップ・チューンも都合3ヴァージョンが生まれた。まず1995年、シェフィールドのライヴクラブが企画したスプリットEPにて初登場、その後アルバム『SATURNALIA』の先行シングル"2, 3, Go"のカップリングでアクースティック・ヴァージョンで登場し、最終的にはアルバム『SATURNALIA』で完成を見た格好になる。一番シンプルな『Saturday Night Special』のヴァージョンも好きだが、マリンバの音色が映えるアルバムでのテイクを支持したい。おそらく、アンソロジーを作るならぜひ収録したい曲だろう。なお『Saturday Night Special』でのオリジナル・テイクは現在、編集盤『SINGLES 1995〜'97』で聴くことが出来る。
Jet Girl [Acoutic Version] 1996/8 28th Single "2, 3, Go" [Cooking Vinyl fry CD 048]
Jet Girl [Album Version] 1996/9 6th Album 『SATURNALIA』 [Cooking Vinyl COOK 099]
22 Sports Car 1996/1 5th Album 『Mini』 [Cooking Vinyl COOK 094] Cooking Vinyl移籍第一弾となった1996年のミニ・アルバム『Mini』の中でも特に名曲の誉れ高い「Sports Car」は活動休止前最後のシングル「Montreal」のカップリングの為に再録音されている。リテイクの方はJayne Lockeyをリード・ヴォーカルにフィーチャーしたアクースティック・アレンジで、間奏のギターも格好良いエレクトリックな原曲と比べるとこの爽やかな詩情を湛えた再録音テイクはまるで別の曲の様で、その後のCINERAMAの曲とイメージがダブる瞬間もある。
Sports Car [Acoustic Version] 1997/1 29th Single "Montreal" [Cooking Vinyl fry CD 053]
23 2, 3, Go [Single version] 1996/8 28th Single "2, 3, Go" [Cooking Vinyl fry CD 048] SATURNALIA』の先行シングル"2, 3, Go"はギター・カッティングから始まるシングル・ヴァージョンの方が断然良い。が、今持ってこれをシングルに推した理由が分からない(笑)。
2, 3, Go [Album version] 1996/9 6th Album 『SATURNALIA』 [Cooking Vinyl COOK 099]
24 Real Thing [Acoustic Version] 1996/8 28th Single "2, 3, Go" [Cooking Vinyl fry CD 048] シングル"2, 3 Go"のカップリングにはアルバムに収録される"Real Thing"のシンプルなアクースティック・ヴァージョンが収録。編集盤『SINGLES 1995〜'97』でも聴くことができるが、これはもうアルバム・ヴァージョンの出来の方が抜群にイイ。
Real Thing [Album Version] 1996/9 6th Album 『SATURNALIA』 [Cooking Vinyl COOK 099]
CINERAMA 1998〜2004

曲名 発表年月 収録アルバム/シングル 解説
1 Ears 1998/7 1st Album 『VA VA VOOM』 [Cooking Vinyl COOK 150] CINERAMAで初めてのヴァージョン違いが発生(笑)したのは1999年。イタリア・フィレンツェのS.H.A.D.O. Recordsが企画したコンピレーション・アルバムに『VA VA VOOM』収録の"Ears"のリミックス・ヴァージョンを提供したのが、最初の“ヴァージョン違い”となった。Weddoesの時ならこういうプログラミングを使ったリミックスなど有り得なかった訳で、こんな些細な所にCINERAMAの“ソロ・ユニット”(と、誰もが当初は思っていた)としての自由度の高さを思い知った気がしたのだが。2002年の3rd Album『TORINO』の先行シングルである"Quick, Before It Melts"のカップリングにはさらに、この曲のアクースティック・アレンジの新録テイクも収録され、3ヴァージョン目が誕生する事となった。
Ears [Valvola remix] 1999 V.A. 『Harpsichord 2000』 [S.H.A.D.O. Records]
Ears [Acoustic Version] 2002/6 9th Single "Quick, Before It Melts" [Scopitones TONE CD 010]
2 Hard, Fast and Beautiful 1998/7 1st Album 『VA VA VOOM』 [Cooking Vinyl COOK 150] CINERAMAの楽曲の中でも特にウェットな情感のある(というか、Davidのユーロ・ヴィジョンもの好きがやや出ている)不思議な1曲"Hard, Fast and Beautiful"はDavidがWeddoes休止後、Cineramaを名乗る前に出演したラジオ番組でも弾き語りで披露したり、おそらく相当早い段階から書き上げていた曲のはずで、ライヴでも頻繁にエンディングを飾る曲となっていた事からかなりの思い入れが感じられるのだが、ライヴを重ねる毎に、つまりCineramaが“ソロ・ユニット”からDavidをリーダーとする新たな“ライヴ・バンド”として成長を遂げていく中での“変化”を代弁する様な1曲でもあったと思う。2001年に2ndアルバム『DISCO VOLANTE』からカットされた"Superman"の7インチ盤のカップリングにはスペイン語詞の新録テイクが収められたが、アレンジは完全にこの時期のライヴでのものを踏襲した形。ラウドでエモーショナルな一撃必殺ヴァージョンである。
Dura, Rapida Y Hermosa 2001/4 7th Single (7") "Superman" [Scopitones TONE 007]
3 Wow [Single Version] 2000/6 4th Single "Wow"[Scopitones TONE CD 002] David Gedgeが9年ぶりにSteve Albiniと組んだ事で大きな話題を呼んだシングル「Wow」の違いは一目(聴)瞭然。“Extended Version”と題されたアルバム・ヴァージョンには後からストリングスやホーン・パートがオーヴァー・ダビングされている。アルバムの流れの中で聴くには良いのだけど、曲単体のインパクトとしてはやはりシンプルなシングル・ヴァージョンになるかな。実は今のところSteve AlbiniがシカゴのElectrical Audioで完全に録音からミックスダウンまでやったCineramaの曲は今のところこのEP収録曲くらい。あとはベーシック録音のみを行って、ヴォーカルやストリングスはロンドンなど別スタジオで録ってミックスダウンを行う方式が取られている。
Wow [Extended Version] 2000/9 2nd Album 『DISCO VOLANTE』[Scopitones TONE 004]
4 Lollobrigida 2000/8 5th Single "Lollobrigida" [Scopitones TONE CD 003] アルバム『DISCO VOLANTE』収録の名曲"Lollobrigida"は先行シングルとしてもリリースされているが、アルバムとシングルで微細なエディット違いが生じた。と言っても一カ所だけ。シングルのイントロに入っていた女性のため息がアルバムではカットされている。ただそれだけでも“ヴァージョン違い”と呼ぶのかと・・・(以下略)。そして翌年のシングル"Health & Efficiency"の7インチ盤にはフランス語詞の別テイクが収録された。ただしヴォーカルのみ別テイクでオケは一緒。David自身が認めている通り、この曲が元来有していたセルジュ・ゲーンズブールを彷彿とさせるエロティシズムが倍増した。
Lollobrigida [Album Edit] 2000/9 2nd Album 『DISCO VOLANTE』[Scopitones TONE 004]
Lollobrigida [Version Francaise] 2001/10 8th Single (7") "Health & Efficiency" [Scopitones TONE 008]
5 Your Charms 2000/9 2nd Album 『DISCO VOLANTE』[Scopitones TONE 004] さらに『DISCO VOLANTE』からカットされたこの曲にもいくつか違いがある。まずイントロはアルバムで聴かれたリハーサル・ノイズがカットされて、ギターとヴォーカルから始まっているのが大きな違いの1つ。そしてもう1点、曲中アルバム・ヴァージョンには無い女性のフランス語の囁き&笑い声が被せられている。気付いている人は意外に少ないのだが。
Your Charms [Single Edit] 2000/11 6th Single "Your Charms" [Scopitones TONE CD 005]
6 Superman 2000/9 2nd Album 『DISCO VOLANTE』[Scopitones TONE 004] さらにさらに『DISCO VOLANTE』からカットされたこの曲もヴァージョン違いが登場。が、こっちのはわかりやすい。7インチ盤のみ、スペイン語詞の別テイクが収められた。ただ、どうなんだろこれ?やや滑稽な感じがするのは気のせいか?カップリングの"Dura, Rapida Y Hermosa"のインパクトが強いせいか余計そう感じる。
Superman [version en espanol] 2001/4 8th Single (7") "Health & Efficiency" [Scopitones TONE 008]
7 Starry Eyed 2001/4 CD single "Superman" [Scopitones TONE CD 007] "Superman"のカップリングで3rd Album 『TORINO』にも収録される事になる名曲"Starry Eyed"はオープニングとエンディングのS.E.において若干ながら編集の差異がある。シングルの方はエンディングのS.E.にもう1曲のカップリング"Yesterday Once More"のイントロのラジオノイズのS.E.がクロスオーバーしているが、アルバム収録ヴァージョンではそれが無い。一方でオープニングのS.E.のフェードインはシングルの方がやや長い。
Starry Eyed 2002/7 3rd Album 『TORINO』 [Scopitones TONE CD 011]
8 Health & Efficiency 2001/10 8th Single (CD) "Health & Efficiency" [Scopitones TONE CD 008] ややこしい事に、この曲には英盤と米盤でテイク違いとミックス&エディット違いが存在する。まず英盤。自身のレーベルScopitonesからはCDシングルと7インチ盤でリリースされ、7インチ盤にはフランス語詞のアクースティック・ヴァージョンが収められた。で、一月遅れでリリースされた米盤、ManifestoからのCDシングルには同曲の“Radio Edit”が収められた。確かにイントロとアウトロが短く“Edit”されているのだが、よくよく聴いてみるとイントロはギターのアルペイジオもS.E.も被っていないストリングスのみで始まっていて、エンディングのフェード・アウトされているシークエンスにもやはりS.E.が被っていないフル・レングス版とは異なる“別ミックス”なのだ。まあ些末と言えば些末な違いですが。
Health and Efficiency [Version Francaise] 2001/10 8th Single (7") "Health & Efficiency" [Scopitones TONE 008]
Health and Efficiency [Radio Edit] 2001/11 8th Single (U.S. Press) "Health and Efficiency" [Manifesto MFO 42403]
9 Quick, Before It Melts 2002/6 9th Single "Quick, Before It Melts"[Scopitones TONE 010] 3rd Album 『TORINO』の先行シングルだった"Quick, Before It Melts"はアルバムでは“extended version”。コーダのオーケストレーションをエンディングまできっちり聴く事が出来る。
Quick, Before It Melts [extended version] 2002/7 3rd Album 『TORINO』 [Scopitones TONE CD 011]
THE WEDDING PRESENT (2) 2004〜

曲名 発表年月 収録アルバム/シングル 解説
1 Don't Touch Tha Dial *as Cinerama 2003/10 Cinerama's 12th Single "Don't Touch Tha Dial"[Scopitones TONE CD 016] Cineramaの新録曲を使用したシングルとしては最後の作品となった2003年10月のシングル"Don't Touch Tha Dial"は同じSteve Fiskの元、シアトルで録音された新生TWP名義のアルバム『Take Fountain』に再録音テイクで収録。シングル・テイクがイントロのプログラミングっぽいドラムの音と中盤以降のストリングスのアレンジが目立っていたのが、アルバム・テイクはよりラウドなバンドっぽい録音が為されている。別ヴァージョンがCINERAMAと新生TWPに跨って発表されるというのは、名義上の話だけではあるが、おそらくこれが最初で最後の例になるのではないだろうか?
Don't Touch Tha Dial [Pacific Northwest version] 2005/2 Album 『Take Fountain』 [Scopitones TONE CD 020]
2 Interstate 5 2004/11 Single "Interstate 5"[Scopitones TONE CD 018] 新生TWP名義では初のカタログとなった"Interstate 5"もタイトル曲がアルバムには長尺ヴァージョンで収められた。エンディングが2分ほど長く、次トラックへの間奏曲の様な2分ほどのインスト・パートが加えられているのだが、これが実にCINERAMAティックな、具体的には『DISCO VOLANTE』期の楽曲を思い出すエンニオ・モリコーネ・スタイルのトゥワンギー・ギターとメロトロン音色のキーボードが出色の出来となった。
 なお、U.S.盤であるManifesto盤に収められたextended versionはオープニングのインスト"On Ramp"がカットされている都合上、その"On Ramp"とクロスフェードする形で始まっていたオリジナルextended versionのイントロとは編集が異なり、シングル・ヴァージョンのイントロになっている“半アルバム・ヴァージョン”と呼びたい変わり種だ。
2006年5月に発売された新生TWP初のコンピレーション『Search for Paradise : Singles 2004-5』では新録のアクースティック・ヴァージョンが初登場。ただし、出来として特筆すべきものはない。
Interstate 5 [extended version] 2005/2 Album 『Take Fountain』 [Scopitones TONE CD 020]
Interstate 5 [extended version] *alternate edited intro 2005/2 Album 『Take Fountain』 U.S. version [Manifesto MFO-43901]
Interstate 5 [acoustic version] 2006/5 Compilation Album 『Search for Paradise : Singles 2004-5』 [Scopitones TONE CD 023]
3 I'm from Further North Than You 2005/1 CD Single "I'm from Further North Than You"[Scopitones TONE CD 019] Take Fountain』のリリースに2週間先駆けてリリースされる事となった"I'm from Further North Than You"は3種類のフォーマットで発売され、7インチ・ヴァイナル盤のA面にはかつてCINERAMAがシングルのB面でカヴァーを取り上げた事のあるドイツのエレクトロ・ポップ・グループKleeによるリミックス・ヴァージョンが収められた。原曲からベースとドラムをプログラミングされた音に差し替えて途中女性のユニゾン・コーラスを入れたこのリミックス、正直出来は今ひとつである。
2006年5月に発売された新生TWP初のコンピレーション『Search for Paradise : Singles 2004-5』では新録のアクースティック・ヴァージョンが初登場。同作に収められた3曲のアクースティック版の中ではまあまあ聞けるものにはなっている。
I'm from Further North Than You [Klee Remix] 7" Vinyl Single "I'm from Further North Than You"[Scopitones TONE 019]
I'm from Further North Than You [acoustic version] 2006/5 Compilation Album 『Search for Paradise : Singles 2004-5』 [Scopitones TONE CD 023]
4 Ringway to Seatac 2005/10 CD Single "Ringway to Seatac"[Scopitones TONE CD 022] Take Fountain』からのシングルカット。2006年5月に発売された新生TWP初のコンピレーション『Search for Paradise : Singles 2004-5』では新録のアクースティック・ヴァージョンが初登場し、結果2ヴァージョン目が誕生したが、そもそもアクースティック編成に向いている曲では無いので蛇足だったとしか言いようがない。
Ringway to Seatac [acoustic version] 2006/5 Compilation Album 『Search for Paradise : Singles 2004-5』 [Scopitones TONE CD 023]


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